・駐車場投資に興味あるけど、メリット・デメリットを知りたい
・既に土地を持っていて有効活用できるか考えてみたい
・駐車場投資した場合の利回りなど、考えてみたい
不動産投資における投資対象の一つとして、駐車場があります。
今日はこの駐車場投資について、概要、投資方法、メリット・デメリット等を説明していきます。
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駐車場投資の種類
実は、一口に駐車場投資といっても、駐車場には2種類の形態があります。
(1)月極駐車場、と(2)時間貸駐車場(コインパーキング)です。
両者の違いは、以下のようにまとめることができます。
月極駐車場 | 時間貸し駐車場 | |
初期費用 | 安い | 設備設置費用かかる |
収入 | 安定的、但し化けない | 不確定的、化ける可能性あり |
ランニングコスト | 比較的管理しやすい | 不特定多数が利用し管理手間 |
では、まず月極駐車場から見ていきましょう。
月極駐車場
月極駐車場は、借主と駐車場契約を交わし、駐車スペースを貸し出す方法です。
一点注意点として、この駐車場契約は、建物の所有を目的とする賃貸借契約ではないため、借地借家法は適用されないと解されています。従って、借地借家法に規定されているような貸主・借主の権利はないということです。
メリット
・契約が継続している間は毎月安定した収入
・初期費用の低い
・維持費等も不要
・建物のような劣化がない
・損傷リスクも低い
デメリット
・借主を見つけられないリスク
・自己管理の場合、台数が増えると手続きが煩雑
・第三者が勝手に駐車するなどトラブルも
続いて、時間貸し駐車場(コインパーキング)を見ていきましょう。
コインパーキング
課金時間は自由に設定することができ、東京都心では「15分、20分でいくら」という料金設定が多く見られます。
メリット
・時間単位で入れ替わるため、収入ゼロになりづらい
・月極よりも単価を高く設定できる
(利用者が短い時間なら多少払っても良いと考えるため)
・場所次第では、月極よりもはるかに高い賃料に
デメリット
・時間単位で入れ替わるため、収入が読みづらい
・時間計測のための駐車用機械の設置・維持コストがかかる
・認知度を高めるべく、継続的な広告宣伝が必要
駐車場の形態
駐車場の形態としては、(1)平置き駐車場と(2)立体駐車場があります。
平置き駐車場
平置き駐車場も細かく分けると、①建物が何もない土地だけのものと、②平屋があるものと二種類あります。
土地だけのものであればいうまでもありませんが、平屋があるものでも、建屋は小規模かつ簡易的なものになるため、初期費用や維持費が抑えられます。
土地の広さが売上に直結します。
1スペースに1台分しか駐車できないため、売上では立体駐車場に劣ります。
立体駐車場
立体駐車場も細かく分けると、①自走式と、②機械式に分類できます。
①自走式は、2階建て以上の平面駐車場で、スロープを利用して駐車スペースまで自走して移動するタイプの立体駐車場のことです。一方、
②機械式は、昇降機などの機械を使い、上下階に機械で車を移動するタイプのことを指します。
土地が狭くても、賃貸可能スペースを縦に増やすことで、土地の利用効率を上げることができます。
従って、平置き駐車場よりは売上は増えますが、その分、昇降機等の設備の初期投資や定期点検等の維持費用がかかります。
駐車場賃貸の形態
駐車場の経営方法には、大きく分けると(1)自営(自己管理)、(2)自営(管理委託)、(3)一括借借り上げ(サブリース)の3種類があります。
自営(自己管理)
投資家自身が駐車場の貸主となり、自ら整備を行い、その後の管理も行います。
売上は全て自らの収入となり、また経費を抑えられる反面、利用者の募集や維持管理、トラブル対応などを自ら行わなければなりません。
自営(管理委託)
投資家自身が駐車場の貸主となり、自ら整備をするものの、その後の管理を第三者へ委託します。
利用者の募集や維持管理、トラブル対応などを委託して手間を省くことができますが、その分の管理料を支払う必要があります。
管理委託方式の委託費用は、賃料収入の5%〜10%程度が一般的です。
一括借り上げ(サブリース)
駐車場の運営会社に土地をまるごと貸し付け、毎月一定の賃料を受け取る方法です。駐車場の維持管理は、運営会社が行います。
駐車場の稼働率に関わらず毎月一定の賃料が受け取れるので、空車リスクを心配する必要がありません。
さらに駐車場の整備や、設備の設置、運営管理はすべて運営会社が行ってくれます。そのため、初期投資0円で事業を始めることも可能で、業務の負担を減らすことができるという大きなメリットがあります。
デメリットとして、一般的に管理委託方式よりも委託費用が高くなること、駐車場がフル稼働したとしても、受け取れる賃料は増えないことが挙げられます。
他の不動産アセットとの比較
次に、一般的な不動産投資と比べた際の駐車場投資のメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット
・初期費用が少ない
・すぐ始められる
・いざ使いたくなったら、比較的すぐに止められる
・1台以上止められるスペースがあれば可
初期費用が少ない
駐車場投資で必要なのは、土地の整備費用と必要があれば広告宣伝費、維持管理費などです。
土地整備の費用は、アスファルトで15000円/坪、砂利で5000円/坪と言われています。
立体にする場合でも、マンションやオフィスを建築することに比べればはるかに低い初期投資で始められます。
さらに初期投資をもっと抑えたい場合には、駐車場整備から依頼する一括借り上げ(サブリース)を選択することが可能です。
すぐ始められる
駐車場経営を始めるのに、おおよそ1ヵ月もあれば始めることができると思います。
アスファルト塗装であればものの1週間、立体式駐車場であれば設計からこだわるのであれば、1ヵ月を超えるかと思いますが、マンションやオフィスに比べはるかに設計もシンプル、また工期も短いです。
いざ使いたくなったら、比較的すぐに止められる
冒頭で記載しましたが、駐車場契約は借地借家法ではありません。
従って、借主の立場が強く保護されるということもありません。
また上述の通り、工事はシンプルなものであるため、所有している土地を違う用途に転用したい場合にも、駐車場経営をやめ、比較的スムーズに転用することが可能です。
したがって、数年後に別の用途で使う前提で、一時的に当該土地を駐車場利用して有効活用する土地オーナーも多数います。
1台以上止められるスペースがあれば可
どんなに形状が悪くても、また土地が狭くても、最低1台以上駐車できるスペースがあれば事業を始められます。
皆さんも都心で1~2台しか駐車スペースのないコインパーキング等を見かけたことがあると思います。
従って、駐車場以外ではなかなか活用が難しい土地を有効活用することができます。
デメリット
・税面の優遇が少ない
・土地の最有効使用ではなく収益性が低い
税面の優遇が少ない
土地に新築住宅を建築すれば、固都税の減税が受けられますが、駐車場土地はそのような減税の太陽外です。
土地の最有効使用ではなく収益性が低い
最有効使用という言葉がありますが、大前提として、土地はその土地に最も即した利用をされるのが収益性を最大化できます。
たとえば、渋谷駅徒歩1分の立地の最有効使用といえば、おそらく店舗となるでしょう。
最有効使用であれば、それだけその土地を使いたいニーズが多く、収益が最大化されます。
したがって、そのような土地を駐車場にしておくと、最有効使用が実現されず、収益が最大化されません。
駐車場投資リターンシミュレーション
(1)月極駐車場と、(2)時間貸し駐車場(コインパーキング)の収支の計算例を記載します。
月極駐車場
【収入】
・月額賃料1万円/台
・50坪500万円の土地を購入(8台の駐車スペース)
・空車率20%(稼働率80%)
→想定年間収入=1万円×8台×12か月×80%=約77万円
【費用】
・土地整備費:100万円(アスファルト舗装、車止め設置、ライン引き)
・管理委託費:77万円×10%=7.7万円
・固定資産税・都市計画税:500万円×70%×(1.4%+0.3%)=6万円
(※固定資産税・都市計画税の課税標準額は売買価格の70%が目安)
→ランニングコスト:7.7万円+6万円=13.7万円
【投資利回り】
(77万円-13.7万円)÷(500万円+100万円)=約10.5%
時間貸し駐車場(コインパーキング)
【収入】
・24時間利用1,000円/台
・50坪500万円の土地を購入(8台の駐車スペース)
・空車率40%(稼働率60%)
→想定年間収入=1,000円×8台×365日×60%=約175万円
【費用】
・土地整備費100万円(アスファルト舗装、車止め設置、ライン引き)
・機械式設備:150万円
・管理委託費:175万円×20%=35万円
・固定資産税・都市計画税:500万円×70%×(1.4%+0.3%)=6万円
(※固定資産税・都市計画税の課税標準額は売買価格の70%が目安)
→ランニングコスト:35万円+6万円=41万円
【投資利回り】
(175万円-41万円)÷(500万円+100万円+150万円)=約17.8%
もし土地の購入費用をローンで賄うのであれば、ローン返済額が費用に加算されるため、利回りは上記より低くなります。
また今回は、あくまで計算根拠を示す目的でざっくりした想定をしましたので、利回りが高くなりましたが、実際には、土地を安く抑えられるか、想定賃料で貸し出せるか、空室率や支出の見積もりは甘くないか、という観点で見直す必要があります。
駐車場投資成功のポイント
土地の取得費
駐車場の場合は、稼働率をいかに上げられるかがポイントになります。また土地だけの資産のため、土地の取得価格が大きく収支に影響してきます。
立地
収入は稼働率に大きく影響します。従って、稼働率を上げられるよう、立地の良い場所に設置する必要があります。
月極or時間貸し
月極駐車場かコインパーキングかによっても、適した立地は違います。
月極駐車場は、住宅の敷地内に車を停めるスペースがない人、通勤で会社近くに車を停める必要がある人、来客用駐車場を設けたい会社などからの需要が高いです。そのため、住宅街やオフィス街などが適しています。
一方コインパーキングは、駅、駐車場のない商業施設、繁華街、オフィス街、人気スポットの近くなど、一時的に駐車が必要になる人が多い場所が向いているでしょう。
トラブルを防ぐ仕組み
残念ながら、月極駐車場のバーを踏み倒してそのまま清算せずに出庫する車もあります。
また、契約者でもないのに、勝手に駐車する方も一定数います。
このようなトラブルを未然に防ぐ仕組みを構築することが必要です。
まとめ
駐車場経営は、初期費用が少なく、短期間で事業を始められ、狭小地や変形地でも可能というメリットを持った不動産投資です。従って、建物を建てるのが難しい土地や、一定期間後に建築をするまでの間に遊休化することが決まっている土地において、有効利用できる投資と言えます。
しかし、上記「他の不動産アセットとの比較」でも記載しましたが、住居の賃貸経営より税金の負担が大きく点など、デメリットもあります。
なるべく安価な値段で土地を抑え、いかに高稼働で賃貸することができるか、ということが最重要ポイントになります。
・駐車場投資に興味あるけど、メリット・デメリットを知りたい
・既に土地を持っていて有効活用できるか考えてみたい
・駐車場投資した場合の利回りなど、考えてみたい
いかがでしたでしょうか。
少しでも皆様にお役に立てる記事でしたら、幸いです。
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