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売買/賃貸

【不動産売買】
不動産売買契約書(売契)の注意点! 不動産購入前に見て欲しいポイント解説! 30分動画解説!騙されないで欲しい!

今回の記事で分かること

・不動産売買契約書の記載項目
・不動産売買契約書のチェックポイント

シマ
シマ
皆さん、こんにちは。シマです(@fudousan_jisho)今回の記事では、不動産売買契約書作成上の、①記載項目詳細、②チェックポイント、③条件交渉を有利に進めるためのコツについて記載します。

 

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第91話:不動産売買契約のポイント・見どころ!騙されないように!
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不動産売買契約書

 不動産売買契約書とは

不動産売買契約書(売契「ばいけい」とも略されます。)とは、その名の通り、不動産の売買について記載した項目です。以降、対象不動産について何か事態が発生した場合、この不動産売買契約書に遡って内容を確認することになります。

 不動産売買契約書の作成意義

不動産の売買契約は、高額な取引となり、多くの取り決めや手続・手順があります。また、金額が高額であるがゆえに、関係者同士の揉め事が起きやすいというのも事実としてあります。

そのため不動産売買契約書においては、対象不動産の取引内容や契約条件を明文化することによって、売主・買主双方が納得したうえで、万が一、対象不動産について何か事態が発生した場合に、解決する拠り所として、不動産売買契約作成の意義があると言えます。

なお、不動産仲介会社(宅地建物取引業者、略「宅建業者」)が売買仲介に入る際には、宅地建物取引業法(略「宅建業法」)によって、契約成立の際、宅地建物取引士(略「宅建士」)が記名・押印した契約内容を記した書面(不動産売買契約書)を交付することが義務づけられています。

不動産売買契約書のチェックポイント

不動産売買契約書のチェックポイント
  1. 売買の目的物および売買代金
  2. 手付金
  3. 売買代金の支払い時期・方法等
  4. 売買対象面積・測量・代金精算
  5. 境界の明示
  6. 所有権の移転の時期
  7. 引渡しの時期
  8. 抵当権等の抹消
  9. 所有権移転登記等
  10. 引渡し完了前の滅失・毀損
  11. 物件状況等報告書
  12. 公租公課等の分担、収益の分配
  13. 契約不適合(従前の瑕疵担保責任)
  14. 設備の引渡し・修復、残置物
  15. 契約違反による解除・違約金
  16. 暴力団排除条項
  17. 融資利用の特約
  18. 承継事項
  19. 特約条項
  20. 敷地権が賃借権の場合の特約

売買の目的物および売買代金

売主が所有している売買対象の不動産を、契約書記載の売買代金をもって買主が買い受けることを規定しています。売買代金のほか、取引対象となる不動産を明確化するために、土地・建物の所在や地番、面積などの売買対象となる不動産の詳細情報が記載されています。また、マンションの場合には、区分所有建物の詳細情報や敷地権の目的たる土地の詳細情報について記載がされます。

売買の目的物については、たとえば、敷地内に借地がある場合など、どこまでが売買対象範囲になるのか、また建物が区分である場合には、対象範囲を明確にする必要があります。

手付金

不動産売買契約を締結した際に、買主が売主に支払う手付金の額が規定されています。また、手付金は、残代金支払い時に売買代金の一部に無利息にて充当されることが規定されることが一般的です。

ここで注意したいポイントとしては、手付金の性質です。宅建業法上、手付金は①解約手付、②違約手付、③証約手付、という3つに分類されます。もし解約手付であった場合には、契約締結後から引渡しまでに、買主は手付金放棄、買主は手付金の倍返しによって、不動産売買契約を解除することができます。しかし、手付金に解約手付の性質を付与していない場合には、別途違約金を支払わなければ解約できなくなる可能性が高くなりますので、手付金の種類について知ることが重要です。

売買代金の支払い時期・方法等

売買代金の支払い方法や内金および残代金のそれぞれの金額および支払日が規定されています。

通常、売買代金は手付金5~20%程度、決済時に残代金となることが多いですが、案件によっては、中間金を別途設定することもあります。

売買対象面積・測量・代金精算

売買対象となる土地・建物などの面積に関する規定が定められています。

土地は、登記事項証明書(登記簿)に記載されている土地面積を取引対象とする方法と、実際に測量をおこない得られた実測面積を取引対象に用いる方法があります。前者を公簿売買、後者を実測売買とも言います。

さらに、不動産売買契約締結後に測量を行う場合には、登記事項証明書(登記簿)に記載された面積と差異が生じた面積増減分について、別途売買代金の清算を行う場合と実測面積に差異が生じたとしても清算を行わない場合など事前に契約条件を擦り合わせた上で、契約条文に規定します。

建物は、基本的には登記事項証明書(登記簿)に記載されている面積に基づくことが一般的です。

境界の明示

土地・戸建の不動産取引の場合には、売主は、買主に隣地との土地の境界を現地にて境界標の明示を行うことを規定していることがあります。その場合には、売主が買主に境界の明示を行う、もしくは、もしまだ境界が未確定であれば、いつまでに境界を明示するのか期限を設定することもあります。境界標がないときは、売主は、隣地所有者の立会い・承諾のもと、新たに境界標を設置して境界を確定させることが必要となります。

また、越境物がある場合に、越境の覚書を隣地と交わすこともあります。越境するものとしては、たとえば、樹木やブロック塀、屋根の庇などの越境が良く見られます。

ただ、予め売主が境界図や境界標、越境の覚書がない状態で、売主が現状有姿(現状のまま売主として特段何も対応をしない)での売却を希望する場合には、何もせずに売買が成立することもあります。

要するに、境界が取れていないこと、越境箇所が認識されていないことについてのリスクをどちらが取るのか、ということになります。マンションデベロッパーの場合には、万が一、境界や越境の問題が残されたまま、マンションを販売し後にトラブルとなると問題になってしまうため、かなり神経質に境界と越境については確認し、購入前に問題を解決することが一般的です。

テクニックになりますが、もしどうしても隣地の方が不満を抱いており、境界確定書への記名押印を拒否するような場合には、本件地のうち隣地と接する1㎝程度を分筆し、そこだけ中途半端に残し、隣地と直接触れるのを防ぐという方法もあります。

所有権の移転の時期

買主が売主に売買代金全額を支払った時点で、売主から買主に所有権が移転することを規定しています。

理論上は、買主が売主に残代金を支払った時点以外の設定も可能だと思いますが、ほとんどそのような事例はなく、ほぼ残代金全額支払い時となります。

引渡しの時期

不動産の引渡し日が規定されています。

前述の「所有権の移転の時期」の規定により所有権移転日と不動産の引渡し日は、同じ日となることが一般的ですが、たとえば、まだテナントが入居中で退去後に売主の方で改修をすることが約束事として決まっている場合や、住まいの買い替えに伴う売却などの場合には、必要に応じて引渡し日を別途規定することもあります。

抵当権等の抹消

売主は、所有権移転時期までに、抵当権・賃借権などの買主への所有権移転を阻害する一切の負担を除去・抹消することが規定されています。

実務上は、決済日に同日付で抵当権の抹消も併せて行うことが多いです。決済会場が売主の銀行の会議室などで開催され、買主が売買代金の残額を支払ったのを銀行が着金を確認し、その後、銀行が抵当権の抹消に必要な登記書類を司法書士に手交。司法書士は、所有権の移転登記に必要な書類と併せて法務局へ行き、手続きを完了させるというものです。

抵当権等の抹消に要する費用は売主が負担することが一般的です。

所有権移転登記等

売主は売買代金の受領と同時に買主への所有権移転の登記申請をしなければならないことが規定されています。

一般的に、決済時に、買主が売主に売買代金の残額を支払ったことが確認され次第、売主が所有権移転登記に必要な書類(具体的には権利証や登記識別通知書)を手交するという流れになります。

所有権移転登記申請に要する費用は、買主の負担と規定することが一般的です。

引渡し完了前の滅失・毀損

不動産の引渡し完了前に、天災など売主・買主双方に責任のない事由により不動産の滅失や毀損が発生した場合に、修復が可能な場合には、売主が修復をしてから買主に引渡し(その修復に要する時間は、買主は承諾する)、また、もし修復が困難な場合には、不動産売買契約の解除が可能なことを規定しています。

なお、同事由による不動産売買契約を解除する場合には、売主は、買主に対し、受領済の売買代金等の金員を無利息にて返還することが必要となります。

物件状況等報告書

売主は、不動産売買契約締結時点における不動産に関する状況を「物件状況等報告書」によって買主に説明することを規定しています。後述の「契約不適合(従前の瑕疵担保責任)」と関連する内容となりますので、正確な状況の記載が必要となります。

公租公課等の分担、収益の分配

売買対象となる不動産から生ずる収益または、売買対象不動産に賦課される固定資産税や都市計画税等の公租公課等の諸負担については、引渡し完了日の前日までを売主、引渡し完了日以降を買主が収益または、負担することが規定されており、引渡し完了日をもって清算することが定められています。

また不動産から収益が発生している場合には、上記の公租公課の分担と併せて、引渡し完了日の前日までを売主、引渡し完了日以降を買主とすることが一般的です。

契約不適合(従前の瑕疵担保責任)

不動産の引渡し完了後、一定期間の間に、不動産に隠れたる瑕疵が見つかった場合の売主の契約不適合(従前の瑕疵担保責任)に関する内容が規定されています。

令和24月以降の民法改正によりこれまで「瑕疵担保責任」と言われていた内容は、「契約不適合責任」という用語に置き換わるとともに、従来は「瑕疵担保責任」については、売主・買主の協議の上、その負担を決めることが一般的でしたが、「契約不適合責任」においては、売主が責任を完全に逃れることが難しいように変更されています。

なお、売主が宅建業者で、買主が一般法人・一般消費者である場合には、買主に不利にならないよう、契約不適合を請求できる一定期間を設けることとされています。

設備の引渡し・修復、残置物

売主は、不動産に付帯する主要設備の引渡しの有無を「設備表」へ記載し、その記載内容をもって各設備を引渡すことを規定しています。引渡す設備の内、故障・不具合を無とした主要設備については、売主は使用可能な状態で引渡すこと、また、故障・不具合を無とした主要設備については、通常、引渡し完了日から7日以内に請求を受けた故障・不具合について、売主が修復する責任があることも規定しています。

なお、引渡す設備の内、故障・不具合を有とした主要設備については、引渡し完了日以降、故障・不具合があったとして売主は修復の責任はありません。従って、売主は売買に先立ち、自らが把握している設備の状況を正確に伝達することが求められます

また、もし売主が残置したものがあった場合、その残置物の所有権の取り決めを規定することもあります。買主として継続して利用できるようなもの(例、オフィス家具など)であれば、売主による残置及び所有権放棄で良いですが、買主が利用する予定もなく、また撤去や処分に費用がかかるようなものであれば、事前に協議が必要となります。

契約違反による解除・違約金

売主、または、買主が、不動産売買契約の債務の履行を怠ったときには、その相手方に対し、書面により債務の履行を催告した上で、不動産売買契約を解除して、違約金の支払いを請求することができるとした規定が定められています。

違約金は通常、売買代金の20%に設定されることが多いです。

暴力団排除条項

不動産売買契約書には、売主・買主双方が暴力団関係者ではないこと、売買対象となる不動産が暴力団関連で利用されることがないこと、が約束されます。万が一、虚偽の事実を告げた場合には20%、実際に暴力団関連で不動産を利用した場合にはさらに80%の違約金(つまり20+80%で全額)の支払いと明記するケースが多いです。

融資利用の特約

不動産売買においては、買主の多くは銀行からの融資(住宅ローン)を利用して売買代金を支払いますが、万が一、買主が融資を得られない場合には、融資承認取得期日までであれば、不動産売買契約を解除できるとした特約を定めることが一般的です。また、不動産売買契約書には、融資利用の申込先、融資承認取得期日、融資金額、融資利用の特約に基づく契約解除期日を厳格に取決めることとなります。

承継事項

売主が第三者と締結しているものや、第三者へ届出をしている者がある場合、買主はその地位を承継することを規定する場合が一般的です。

たとえば、代表的な例としては、既に入居者(テナント)がいる場合に、その賃貸人の地位を承継するといったものです。その他には、行政へ道路占用の使用許可の届出をしていれば、それを承継するといった形です。

特約条項

上記で述べたものに当てはまらないような決め事が発生することが多々あります。そのような場合には、特約条項として、個別に売主・買主の取り決めを規定することが一般的です。

敷地権が賃借権の場合の特約

区分所有建物(マンション)の敷地(敷地権)が賃借(賃借権)の場合、売主は、その賃借権を買主に譲渡することについて、土地所有者に賃借権譲渡承諾書の取得することを規定しています。また、売主が賃借権譲渡承諾書を得られない場合には、賃借権譲渡承諾の特約に基づく契約解除期日までであれば、不動産売買契約を解除できるとした特約規定となります。

不動産売買契約書の一般的な規定と合わせて確認したいポイント

繰り返しとなりますが、不動産売買契約書は、売買仲介を依頼した宅地建物取引業者(不動産仲介会社)が作成いたします。しかし、不動産売買契約書がどのような内容であるかについては、契約当事者となるご自身が詳しく理解することが最も重要です。

また、不動産売買契約書は、個別の契約毎にそれぞれ取り決める内容が異なるため確認すべきポイントは一律とはいきませんが、前述の「不動産売買契約書の一般的な規定と確認ポイント」で解説した内容と合わせて、次のポイントもご自身でしっかり確認するようにしましょう。

もしもわからないことや気になる点がある場合には、不動産売買契約書を取り交わす前に不動産仲介会社に納得できるまで確認をしましょう。

  • 不動産売買契約書・重要事項説明書の記載内容の確認
  • 不動産売買契約書に記載された、売買対象となる不動産の範囲、売買代金、手付金額などの記載内容に漏れや誤りがないかをまずしっかり確認しましょう。
  • また、重要事項説明書の記載内容や登記事項証明書(登記簿)や測量図面などの重要事項説明書の付属書類も確認しましょう。
  • 契約条件の設定や不明瞭な規定がないかの確認
  • 瑕疵担保責任期間・設備修補責任期間などが明確であるかという点や、手付金解除期日・融資承認取得期日・残代金の支払い日・引渡し日が適切に設定されているかなども確認しましょう。

不動産売買契約の流れ

不動産売買契約の当日は、次にご紹介する書類などを事前に準備の上、通常、売主と買主双方が立会い契約手続きをおこないます。

不動産売買契約の内容について、互いに納得できたらご本人がそれぞれ署名・押印をおこない、買主は、売主に手付金の支払いをおこなうことで契約成立となります。

なお、不動産売買契約書は、一般的に、同一の書面を2通作成し、売主・買主がそれぞれ1通ずつ保管します。但し、売主が不動産会社である場合に、印紙代を節約したい場合など、買主のみが原本で、売主はそのコピーという場合もあります。

不動産売買契約の当日に準備する一般的な書類など

売主

  • 土地・建物登記済証(権利証)または登記識別情報
  • 印鑑証明書(3ヶ月以内の発行のもの)
  • 建築確認通知書・検査済証
  • 測量図・建物図面・建築協定書
  • 物件状況等報告書
  • 設備表
  • 固定資産税・都市計画税納税通知書
  • 管理規約・管理組合総会議事録など(マンション売却の場合)
  • 収入印紙(売買代金により変動)
  • 本人確認書類
  • 実印
  • 仲介手数料の半金 など

買主

  • 手付金
  • 収入印紙(売買代金により変動)
  • 本人確認書類
  • 印鑑
  • 仲介手数料の半金 など

いかがでしたでしょうか?
皆様のお役に立つ情報がありましたら幸いです。

今回の記事のまとめ

・不動産売買契約書の記載項目
・不動産売買契約書のチェックポイント

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