・不動産投資やマイホーム購入を迷っているけど、騙されたくない・・・
・不動産取引の際にどういうポイントに気を付ければ良いのか、内情を知るプロの経験から知りたい
不動産は、住宅・オフィス・店舗・ホテル・工場・物流・病院・学校など、日常生活に必要不可欠なものですが、その金額が大きく、また、不動産には様々な法律、条令、税金、会計などが関わることから、不動産業者、物件オーナー、経験豊富な買い手と、不動産の素人である一般の方との間に大きな情報の非対称性が存在する業界です。
業界の利益率も高いことから、非常に残念ながら、悪い不動産会社、悪い不動産オーナー、悪い買い手がいることも事実です。数年前には、世間を騒がせました積水ハウス地面師事件やかぼちゃの馬車事件が起こり、皆さんのご記憶にも新しいのではないかと思います。
不動産は上述のように、日常生活に必要不可欠な重要資産であることから、多くの方は人生で一度は、何らかの形で不動産取引に関わることになります。マイホームの購入、賃貸、相続、自ら事業を行う方はオフィスや店舗への投資ということもあるでしょう。
では、そのようなとき、どのようにすれば、騙されづらくなるのでしょうか。
それは、不動産取引において典型的な騙されポイントをしっかりと認識し、どのような点に気を付けなければならないのか、学習することです。
私は約10年間、不動産業界の第一線で数々の不動産取引に関わりました。幸いなことに、私が携わらせて頂いた案件は、200~300億円程度に上り、アセットタイプとしてもマンション、アパート、戸建、オフィス、店舗、ホテル、旅館、老人ホーム、工場、物流、リート物件とほぼ全ての種類の取引経験があります。
この記事では、私の経験を踏まえた、「騙されやすいポイント50」項目を列挙したものになります。それぞれの詳細につきましては、以下の自著「もう怖くない!これだけ読めば騙されない不動産取引 騙しケース50選!~過去のだましケースを学び、最高の不動産取引を実現しよう!~」で解説しておりますので、ご興味ある方は是非一度ご覧頂けましたら幸いです。
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- 不動産会社が売主との仲が良く「自社だけが扱っている」物件と言う
- マンション全室「南向き」と言われたが...
- マンションで、紹介できない部屋があると言われる。
- 購入した後、サブリースに入り、賃料を保証する
- 住宅ローンを投資用物件に使っても問題ない、みんなそうやっているという
- ローン審査は任せて欲しいと、不動産会社に言われる
- 登記書類は滞りないと売主から言われる
- 代金振込み後に別に売却済みと言われる
- 部屋はすべて満室だと言われる
- 物件を抑えるために、申込証拠金や手付金を先払いして欲しいと言われる
- 建物を問題なく建てられるという
- 海外不動産、特に経済成長が著しい新興国は、賃料も右肩上がりで儲かると言われる
- ライバルがいて購入されそうなので、急いで契約手続きを進めて欲しい
- 異業種交流会やセミナーで出会った友人や異性から、不動産購入を薦められ、断り切れず買ってしまう
- 物件購入で節税ができる
- 年金対策になる
- 生命保険代わりになる
- 周辺相場に比べて高利回り
- 将来間違いなく値上がりが期待できる
- 物理的なネガティブ情報をあえて言わない
- 心理的なネガティブ情報をあえて言わない
- 環境的なネガティブ情報をあえて言わない
- 法律的なネガティブ情報をあえて言わない
- 駅距離などの広告表示
- 面積についての説明がなされない
- 時間がないと言い、契約書や重要事項説明書の開示が直前で、急いで記名捺印を促される
- 不動産仲介者が、責任をもって自分が買い取ってから売るという
- 物件未完成の段階で、先んじて契約し、出来上がりの建物が約束と違う、もしくは欠陥箇所が見つかる
- 不動産購入に先立ち、氏名・住所・勤務先・家族構成といった個人情報を全て無条件に取られる
- クーリングオフができるから、まず契約をと言われ契約をする
- 物件を賃貸したら、知らないうちに転貸された
- 説明を受けていた土地の面積が実態の面積と違う
- 小切手で物件を買いたいと言われる
- 賃料査定書を使って、想定家賃収入を説明される
- 仲介手数料とは別の、コンサルティング料や紹介料といった名目の費用を請求された
- 物件売却時の想定売却価格が低すぎる
- 売却活動を依頼した不動産会社が、オープンな売却活動をしない
- 信頼できる管理会社と言われ、そのまま使ったが
- 当事者が遠方や海外で代理人と契約
- 完全所有権を妨げるものがないと思っていたが
- 売主や仲介会社から開示された登記簿のコピーが実態と違う
- リゾートや旅館の設計図を用いて、将来値上がりする可能性があるということで、田舎の山林や原野を買わされる
- 売却相談をしただけなのに、不動産仲介会社に媒介契約書の締結を求められる
- 不動産ソーシャルレンディングで貸金が棄損
- 流行りのリノベをすればバリューアップと言われ、物件を買ったが
- 家賃振込先変更の投函があり、家賃を振り込んだが
- コロナ対策家賃給付金の手続き申請代行と称し、手続き料を請求される
- 物件退去や売却の際の、必要な手続き請求額が多い
- 所有する物件の興味がある人がいると言われ、売却準備を薦められ、測量や建物調査を発注
- 購入希望者の内覧と言われ、内覧対応したら貴重品が無くなった
不動産会社が売主との仲が良く「自社だけが扱っている」物件と言う
実際は、売主にあったこともなく、単なる囲い込みで、不動産業界専用イントラ(レインズ)の物件資料だけを印刷。顧客との交渉を有利に進めたいだけ
→不動産会社1社に頼まない
マンション全室「南向き」と言われたが…
正確に方位を図ると、実はそうではなく、微妙に方角が違う
→マンションの販売図面を詳細にチェックする
マンションで、紹介できない部屋があると言われる。
買主候補の年収や属性ごとに話し方を変え、紹介物件も変える
→ネットのマンション口コミを見たり、別の家族や友人に往訪を頼む
購入した後、サブリースに入り、賃料を保証する
賃貸借契約が始まったら、すぐにサブリースを解約される 例)かぼちゃの馬車事件
→サブリース契約は、契約解約できない形でなければ信頼しない!
住宅ローンを投資用物件に使っても問題ない、みんなそうやっているという
金銭消費貸借契約違反、場合によってはローン一括返済を求められ、自己破産に陥るケースも。フラット35の自己破産者続出ケース
→住宅ローンを投資用ローンで使わない!複数金融機関に自分でも打診する!
ローン審査は任せて欲しいと、不動産会社に言われる
不動産会社が、年収や預金残高を改ざんし、融資を受けさせる
例)TATERUやスルガ銀行問題
→複数金融機関に自分でも打診する!
登記書類は滞りないと売主から言われる
実際には登記書類に不備があり、お金を支払っても登記できない
積水ハウス地面師事件
→謄本の情報はもらうだけではなく、自分で調べる(法務局で数百円で取得可能)!怪しいと思ったら司法書士に相談
代金振込み後に別に売却済みと言われる
二重売買という、1つの物件を同時に2者へ売却。1者は物件登記ができず、持ち逃げされる
→売主・不動産会社が信頼できる先か疑う、登記書類は決済当日より前に司法書士含め確認
部屋はすべて満室だと言われる
部屋にカーテンをかけていたり、電気メーターを回しておいて、外から見えないようにする
→現地に行く、周辺の住民の話を聞く、郵便ポスト等確認する
物件を抑えるために、申込証拠金や手付金を先払いして欲しいと言われる
支払った後に、売主や不動産業者と連絡が取れなくなる
→申込金や手付金などは、契約まで絶対に払わない
建物を問題なく建てられるという
建築基準法や条例などで、建物が建てられない(例、用途規制、接道規制など)
→知人で不動産に詳しい方がいれば聞く、いなくとも役所に行き、規制がないかヒアリング可能
海外不動産、特に経済成長が著しい新興国は、賃料も右肩上がりで儲かると言われる
実際には、建物の工事も上手く行かず、工事自体が大幅に遅れ、損切りせざるを得なくなる
→海外不動産は安心できる業者以外は出を出さない、法律慣行も全く異なる
ライバルがいて購入されそうなので、急いで契約手続きを進めて欲しい
実際には競合はおらず、解約不可もしくは違約金支払いを迫られる
→極端に急かしてくる業者、売主とは契約を控える。どうしてもの際には、契約書等も弁護士通じて事前に精査
異業種交流会やセミナーで出会った友人や異性から、不動産購入を薦められ、断り切れず買ってしまう
実は売主とグルで、だまされて買わされる
→知人であっても、素性が知れない場合は信用しない。投資はどこまでいっても自己責任
物件購入で節税ができる
想定以上の赤字が出てしまったり、逆に節税ができたのは減価償却の決め方から購入後の数年だけだった
→物件の収支を事前に精査する。減価償却期間や額
年金対策になる
修繕費などの支出がかさみ過ぎてしまい、逆に赤字になってしまう、自身の本当の年金が食いつぶされる
→物件の収支を事前に精査する。特に支出項目。想定外の支出が発生することがないか。
生命保険代わりになる
万が一があり、養育費などで現金化したくても、売却しづらい物件で換金できないか、大幅に購入金額より少ない金額となる
→換金性のある不動産を選ぶ。
周辺相場に比べて高利回り
実は表面利回りだけの話であり、支出も加味したネット利回りでは、もっと低い
→利回りを見るときは、必ずネット利回りも見にいく
将来間違いなく値上がりが期待できる
景気後退局面を迎え、物件価値が下がってしまう
→物件周辺のエリア判断は、自分で調べる、調べられる
物理的なネガティブ情報をあえて言わない
例)雨漏り、ひび割れ、シロアリ、破損・損傷箇所
→積極的に聞く、また重要事項説明書を熟読、自身で内覧をして現地を確認する
心理的なネガティブ情報をあえて言わない
例)過去に自殺や事件があった、周辺に暴力団事務所がある
知っていたにも関わらず、知らなかったとシラを切られる
→積極的に聞く、また重要事項説明書を熟読
環境的なネガティブ情報をあえて言わない
例)近隣住民とのトラブル、騒音や周辺の嫌悪施設(ゴミ処理場やにおいの出る工場)
→積極的に聞く、また重要事項説明書を熟読、自身で現地に行き周辺環境を確認する
法律的なネガティブ情報をあえて言わない
例)違法建築であること、建築確認申請が下りていないこと
→積極的に聞く、また重要事項説明書を熟読
駅距離などの広告表示
実態と異なる記載、例)駅徒歩5分、実態はそれ以上
→広告表示と実態が正しいかをチェックする、特に重要な部分として、たとえば駅距離や面積や構造など
面積についての説明がなされない
不動産には様々な面積があり(壁芯・内法)、どちらに基づく面積表示なのか、説明が曖昧
→積極的に聞く、また重要事項説明書を熟読
時間がないと言い、契約書や重要事項説明書の開示が直前で、急いで記名捺印を促される
重大な事項の記載が後日発覚し、反論できない
→売買契約書の条文、及び重要事項説明書の内容が把握できるまで、取引には応じない
不動産仲介者が、責任をもって自分が買い取ってから売るという
第三者のための取引(三為取引)をし、大幅に利ざやを抜かれる
→三為取引は個人的にはおススメしません。そもそも間に入る業者の利益を抜くということになります。
物件未完成の段階で、先んじて契約し、出来上がりの建物が約束と違う、もしくは欠陥箇所が見つかる
フォワードコミットと言われ、契約を確定できた業者は、手抜き材質に変えたり、工事を適切に行わない
→大手、信頼できる業者でなければ、フォワードコミットは避ける。使う建材なども変えられる可能性。。。
不動産購入に先立ち、氏名・住所・勤務先・家族構成といった個人情報を全て無条件に取られる
後日、その個人情報を悪用すると脅される
→必要な時以外は、不必要な個人情報は出さない。特に会社名や家族名など
クーリングオフができるから、まず契約をと言われ契約をする
実際には宅建業法上のクーリングオフができない場所での契約であり、契約の解除ができない、もしくは違約金が発生
→クーリングオフの可能性がある場合には、契約を控える。どうしてもする場合には、クーリングオフができる場所で必ず行う
物件を賃貸したら、知らないうちに転貸された
全く知らない第三者が物件を占拠しており、またその転借人が立退きを拒否、また転借人自体に問題がある
→賃貸借契約書で、転貸借不可とする。万が一があれば弁護士通じ法的手段で強制退去を求める
説明を受けていた土地の面積が実態の面積と違う
土地の面積には様々なものがあり、登記簿面積や実測面積等。実測したら、大幅に少なかった等
→土地の面積には特に注意、登記簿面積なのか、実測面積なのか、必ず把握する
小切手で物件を買いたいと言われる
当該小切手がニセモノ
→よほどのことがなければ、小切手や現金は避け、銀行決済にすべき(エビデンスも残るため)
賃料査定書を使って、想定家賃収入を説明される
当該、賃料の設定が、実態は非現実的で賃料がとれない
→投資用物件、収益物件であれば、賃料想定についても調べる。賃料想定も自己責任。
仲介手数料とは別の、コンサルティング料や紹介料といった名目の費用を請求された
宅建業法で最大3%+6万円となっており、それを超える金額は実費でなければ、いかなる名目で不可
→仲介会社へは満額で3%+6万円、それ以上のものは名目関わらず実費でなければ払わない。
物件売却時の想定売却価格が低すぎる
売主の目線を下げ、購入者発見の可能性を高めるため、売却価格を低く提案される
→複数の不動産会社に査定を依頼。査定書は紙やデータといったエビデンスが残る形でもらう
売却活動を依頼した不動産会社が、オープンな売却活動をしない
自社で両手仲介手数料を取るため、物件の囲い込み、専任契約であってもレインズ(不動産情報流通機構)へアップしない
→複数の不動産会社に査定を依頼。適宜報告をしてもらう。報告を渋る業者とは付き合わない
信頼できる管理会社と言われ、そのまま使ったが
実際には、管理業務を適切に行わない、報告がマメではなく、また管理料も高い
→管理会社の是非は見極め、必要であれば管理会社を変える。相見積もりを取ることも可能。
当事者が遠方や海外で代理人と契約
実際には、代理人でも何でもなく、資金を持ち逃げされる
→本人でない場合には特に注意。よほどのことがなければ、代理人とは取引しない
完全所有権を妨げるものがないと思っていたが
抵当権や質権等の権利が付着しており、購入後に物件を使うことができなかった
→登記簿謄本は必ず自分自身でチェック、怪しければ司法書士にも確認
売主や仲介会社から開示された登記簿のコピーが実態と違う
登記簿を改ざんし、実態を隠してだます手口
→登記簿謄本は必ず自分自身でチェック、怪しければ司法書士にも確認
リゾートや旅館の設計図を用いて、将来値上がりする可能性があるということで、田舎の山林や原野を買わされる
原野詐欺。売主の物件取得価格は、おそらく場所によってはゼロ。
→原野や山林などは確実な情報でなければ買わない
売却相談をしただけなのに、不動産仲介会社に媒介契約書の締結を求められる
媒介手数料獲得を目的とした行為
→媒介契約は必要なとき(専任媒介契約等)まで締結する必要はない。また基本的に実費以外は成功報酬が、基本の考え方。一般媒介契約でも十分。
不動産ソーシャルレンディングで貸金が棄損
そもそも法律に沿った運営を行っておらず、貸出先も不明で
→ソーシャルレンディング、クラウドファンディングは、信頼できる業者のみに留める
流行りのリノベをすればバリューアップと言われ、物件を買ったが
確認申請がなく、建物のリノベーションを合法的にできない
→購入前に、建物の合法性や建築確認の有無は必ず確認。特にリノベや増改築を想定している場合。
家賃振込先変更の投函があり、家賃を振り込んだが
振り込め詐欺の一種で、ポストに無作為にオーナー・振込先変更のビラを投函
→怪しいと思えば、管理会社へ電話で確認。
コロナ対策家賃給付金の手続き申請代行と称し、手続き料を請求される
実際は手続き金詐欺
→家賃給付金申請など、コロナ関係の申請は自身で行う。役所で丁寧に対応してもらえます。
物件退去や売却の際の、必要な手続き請求額が多い
清掃代などの名目で取られ過ぎる
→請求内訳を確認。法外な値段で合った場合には、業者の相見積もりも含め相談。
所有する物件の興味がある人がいると言われ、売却準備を薦められ、測量や建物調査を発注
実際には、当該受注やコンサル料狙い
→誰がどういった目的で興味があるのか、しっかりと確認。それでも怪しければ、面談を申込、信頼できるまでは任さない。原則、業者選定も可能な範囲で自分で相見積も取る
購入希望者の内覧と言われ、内覧対応したら貴重品が無くなった
内覧はタテマエ
→誰がどういった目的で興味があるのか、しっかりと確認。不特定多数が来る内覧時には、貴重品などは見えるところに置いておかない。
いかがでしたでしょうか。
上記を分類してみると、以下のようなものにまとめられると思います。
だまされポイント分類
・面積などの広告表示に関するもの
・手付金など振込、契約を急がせる行為に関するもの
・登記情報など偽造に関するもの
・ローン資料改ざんなどローンに関するもの
・サブリースなど収益に関するもの
・海外不動産や原野など将来の値上がり情報に関するもの
・デート商法などの人間関係に関するもの
・不動産仲介との仲介詐欺に関するもの
・ソーシャルレンディング等の小口化に関するもの
・不動産の保有時の管理に関するもの
・不動産売却時の売却方法や価格に関するもの
以上になります。
少しでも皆様にお役に立てる記事でしたら、幸いです。
より詳しく内容を確認されたい方は、自著「もう怖くない!これだけ読めば騙されない不動産取引 騙しケース50選!~過去のだましケースを学び、最高の不動産取引を実現しよう!~」で解説しておりますので、ご興味ある方は是非一度ご覧頂けましたら幸いです。
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